ジュエリーをディスプレーする
販売に携わる者として商品をディスプレーするという作業は、日々のルーティンといっていい位、頻繁に行われることです。
季節が替わるたびに、新しい商品が入荷するたびに、その都度行う日常の業務です。
また、展示会などの催事のために数多くの商品をテーマに沿ってディスプレーをすることもあります。
ジュエリーは、その一つ一つがとても小さな物です。
それらをディスプレーするには、ある意味、顕微鏡の中を覗いているような視点が必要になります。
ディスプレーの什器も、ジュエリーという小さな物を惹きたたせるための工夫が必要となります。
また、その輝きをより感じてもらえるよう、什器の素材にもこだわりがあります。
そして、何よりとてもデリケートな品だからこそ、商品を傷つけない柔らかなテクスチャーを持った材質でなければなりません。
世の中には様々な商品が販売され、その商品を販売するための脇役であるディプレー什器が、商品の種類ごとに開発され、それぞれに専門の業者が什器の販売を生業としています。
中でもジュエリーの什器というのは一種独特の特殊なものです。
ジュエリーのディスプレーというとすぐに思い浮かぶのが、女性のデコルテを表現した首の形のネックレス台でしょうか?あるいは、リングを置くリング台でしょうか?
どれもジュエリーにしか使われない独特の備品です。
よく使われる素材はセーム皮、あるいはスエードなどの布地です。
ジュエリーを直接置く備品には、光を反射するプラスティックやガラスなどは商品を惹きたたせるには向かないようです。輝くのはジュエリーという商品であり、什器はあくまで脇役だからです。
同じ意味で、商品に添えるものとして、花は向かないとする考え方もあります。
ただ、自然物である花は同じ自然から生まれるジュエリーだからか相性は良いものです。でもあくまで主役は、お客様の目に留まって欲しいジュエリー。
この限りでは花は主役ではなく脇役です。
つい、きれいな花を脇役として使いがちですが、使うときにはいつもこのことを頭において気を付けています。
小さな商品にお客様の視線をフォーカスさせたいのがジュエリーディスプレーなので、スペースにも気を配ります。なるべく、額縁のようにスペースを区切り、視線をその枠の中に集中させます。枠の中に配置する時は、あえて空白のスペースを効果的に作ります。
そして、配置の強弱をつけ枠の中がリズムを打つように考えます。
この時、私はいつも母から教わった生け花の基本、真・副・体の言葉を唱えながら作業します。
毎日の業務となると、どうしてもマンネリになりがちですが、お客様の視線を向けてもらうためにはどうすればディスプレーすればよいのか?悩みは尽きません。
ある展示会のときに、出展していたデザイナーのブースには、作品に添えられ小さなエアプランツが置かれていました。
その頃は、エアプランツ自体も珍しかったのですが、その植物の佇まいがあまりにも静かで、デザイナーの個性的な躍動感ある作品を驚くほど惹きたたせることに目から鱗が落ちる思いでした。
アーティストの洒落た演出、そんなことがさらりとできるようになりたいと思ったものです。
今回は、ジュエリーディスプレーについてお話しました。
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