プラチナ1000問題
日本の方はプラチナジュエリーがお好きです。
昨今の金高の影響で、オーダージュエリーにもホワイトゴールドではなく、プラチナを選択する方が増えています。
以前でしたら、プラチナよりもホワイトゴールドの方が2,3割も安かったのですが、今のこの金の高値で、比重の重いプラチナを使ってもゴールドと同じ値段で作れるのも理由のひとつのようです。
プラチナや金は、純度100%ですと柔らかく、身に着けるアイテムの素材としては向きません。そのため、「割りがね」という違う金属を混ぜて強度を出しています。
プラチナ900とは10%他の金属(例えばパラジウムやルテニウムなど)を混ぜたものです。K18とは25%他の金属例えば銀や銅などを混ぜたものになります。
他の金属を混ぜて強度を出していますので、その割合からプラチナ900よりもK18の方が固いということになります。
ですが、プラチナと金は違う鉱物ですので、それぞれに特徴があり、どちらが硬い、柔らかいとは一概には言えないこともあります。
プラチナは粘り気のある金属なのでポキッと折れるイメージではありませんが摩耗に弱く、絶えず圧がかかると変形します。
かたや、金は、展性といってたたいて薄く延ばすことができるしなやかな性質を持っています。金箔などはその性質を利用したものです。また、延性と言って引っ張られる力に強く、引きちぎれずに伸びることができます。
さてここで、硬さの問題よりも純度の高さを求める傾向について、その問題を提起したいと思います。
純度100%の金、あるいはプラチナというと特別感がありより高価で素敵というイメージを持つ方もいらっしゃると思います。
ところがこの純度では、金もプラチナも、身に着けるジュエリーには向かないのです。
他店でお求めになったプラチナ1000と刻印されたリングを私共へサイズ直しでお持ち込みいただくことがあります。
厳密には純度100%のプラチナといっても強度問題がありジュエリーに加工するときにはわずかに他の金属を混ぜて強化させる場合があります。本当は99.95%のプラチナなのですが、プラチナ1000と表記してあるのです。
このわずかに含まれた他の金属が原因で、サイズ直しの加工過程で入る熱によって地割れが起き、そこを直そうとするとまた他の所に地割れが起きて、、、と職人さん泣かせの事態を引き起こします。
何を割りがねに使っているかが分かればその対策もしようがありますが、如何せん、他社で作られたもの、、、数々の経験を経て、私共では泣く泣くお受けできないお直しとなりました。
純度100%というと聞こえがよく高価な良いものと思われがちですが、ジュエリーに使う金属として、長く気持ち良く使う、後々のメンテナンスもできる素材としてはいかがなものか?という懸念があります。
プラチナ999はこれまでプラチナ1000と表記されていたものが、2012年JIS(日本工業規格)やISO(国際標準規格)に則り、表記変更されたという経緯があります。
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